ル・シクロップ
LE CYCLOP(ル・シクロップ)Milly-la-Foret,France(2001年8月)
スイス人彫刻家Jean Tinguely(ジャン・ティンゲリーまたはタンゲリ- 1925〜1991)が
1969年からこれまた20年近くかけてつくり上げた巨大作品、シクロップ。
(日本語の資料ではシクロップになってるけど、フランスのタクシーのおっちゃんは「シロップ」と呼んでいた。
「ク」は発音するのでしょうか。)
一つ目の巨人という意味らしい。ギリシャ神話語源の。
パリの博物館に展示してあった一つ目の赤ん坊の骨格にも「cyclop」と書いてあったので、一つ目全般を指す言葉なのかも。
奥様のNIKI DE SAINT PHALLE(ニキ・ド・サンファルまたはサンファール
1930-2002)も、
タロットガーデンを作るのに20年かけてたっけ。気の長いご夫婦だ。
詳細はシクロップ協会のホームページをご覧下さい。↓CLICK HERE!ホームページにリンク
写真がたくさん載っているページ↓CLICK HERE!
タクシーは森の入口までしか行けないので、そこからは緑の中をひたすら歩く。
木々の間からキラリン!と突然現れますよ。22メートルの異形のお姿が。オールカガミモザイクだ。以下、ハガキ資料をご覧下さい。
そう。これは一つ目巨人の頭部なのです。耳、鼻、口がある。
ガイドのお姉さんと一緒に回るツアー形式。自由に入る事は出来ません。10才以下の子供は入場不可。
しかも入場出来る期間(基本的に5月から10月の土日のみ)および時間が決まっているので、
はるばる辿り着いたのに入れなかった!という人も多数いらっしゃることでしょう・・・。
確か内部撮影は不可。
ティンゲリーのデッサン。
早口のお姉さんの後に付いて、お婆ちゃんからカップル、中学生くらいの子供までの10名ほどで巡りました。
危なっかしい階段を登って、探検が始まります。立体迷路のようなつくり。
鉄のハシゴやスロープを登ったり下りたり、急に外に出たり。
小部屋や踊り場などは15人の芸術家の作品の展示室になってます。それぞれをガイドのお姉さんが説明。
すると、みんなが口々に質問する!うーんなんと熱心な観賞者達でしょう。
お姉さんがスイッチを入れた。すると!グアッシャーンガーゴシャンガーゴシャンシュイーンとけたたましい音が!
天井部分に鉄のレールが張り巡らされていて、そこを鉄球が転がっているのです。いくつもいくつも。
で、内部でも椅子が上下して動いたり。歯車が回ったり。
ハウルの動く城っぽいとも言えるかな?外から見たら歩き出しそうな雰囲気。
そうだった。ティンゲリーの作品が静かなわけないのです。
彼の主な作品はめちゃうるさいノイズ音が鳴り響く機械彫刻だったのでした。
現代美術の展示室で、奥の方からグアッチャグアッチャゴショーンゴショーンと聞こえたら、
あ、ティンゲリー作品があるのねってわかるのはお約束でしたから。
結構急いで歩くツアーだったので、詳細までじっくり見る事が出来ず、残念でした。
現在は政府に寄付されていて、平日は団体の受付もあるそうです。
ってことはパリの中学生は社会科見学で行ったりするのかな?
こんな社会を見ちゃった子供、将来の人格形成に大きな影響を受ける事でしょう・・・。
動く彫刻の金字塔ここにあり!
リンク:スイス ティンゲリー美術館
(2001年8月)