タロットガーデン


IL PARCO DEL TAROCCHI(タロットガーデン) Garavicchio,Italy(2001年8月)


NIKI DE SAINT PHALLE(ニキ・ド・サンファルまたはサンファール 1930-2002)

2002年に永眠したパリ生まれの女性芸術家ニキ・ド・サンファル。

彼女が1998年に完成させた巨大庭園。それがこのタロットガーデンなのです。

完成までに20年を費やしたとか。おお。



ニキについては、世界有数のニキ・コレクターの増田さんが作られた、

栃木県那須にある「ニキ美術館」の記述をご覧下さい。

ニキ美術館ホームページ

ニキ・ド・サンファルってこんな人

ここを制作している様子が見られる映画があります。

「ニキ・ド・サンファル-美しき獣(ひと)-」(映画瓦版の感想ページ)


彼女はモデルさんばりの金髪美人で、そりゃあ格好良かったのですよ。

 

ダンナさんのJean Tinguely(ジャン・ティンゲリーまたはタンゲリ- 1925〜1991))は

主にめちゃうるさいノイズ音が鳴り響く機械彫刻なんかを作ってた人です。

ティンゲリーもLe Cyclopなる巨大珍スポットをフランスに建ててます。(フランス編をご覧下さい)

(あ、京都にその名もティンゲリーなるレストランもありまっせ。)

 

夫婦それぞれが別々の巨大珍スポットを完成させるなんて・・・

林家ペー・パー子夫妻並みの(?)理想的な夫婦趣味の一致例と言えるでしょう・・・。

 

ここタロットガーデンはニキファンにとっての聖地、約束の地です。ここを訪ねて一人前。

山、丸ごと一個使ってます。豪快です。

 

まずは顔がいっぱいついた巨大な青っぽい人を目指して・・・山登り、スタートです。

 

各巨大建造物の内部はどれもスーパーインテリア。

幻惑の超クラクラオールカガミモザイク貼りから温泉風のモノまで。


 

 

 

 

 

 


作品は全てタロットカードがモチーフです。それぞれの作品に意味がつけられている。

カードを見ながらイマジネーションをどんどん膨らませたのでしょう。

 

木陰に草陰に、次々と色んな彫刻(主にFRP製)が隠れています。

 

 

 

 

 

 


ニキがずっとテーマにしてきた、巨大女性ナナ(胸もお尻も大きい母性の象徴)の姿も見えます。

大きな彫刻は胎内に入れるようになっているものが多い。

ただし1階だけ。

中の螺旋階段を登り切ると蛇の口から顔が出せる・・・なんてのはありません。残念。

(幾つか閉鎖している箇所もあります。)


 

 

 

 

 

 

 


最も人気があったのは、晩年の彼女の作品に多数登場していたカガミモザイクを使ったスペース。

の洪水。タイルの噴水。

コテコテなのに不快感が無い。不思議な空間です。

映画の制作風景では、まず壁にカガミを貼ってから金づちみたいなので割ってました。


  

 

 

 

  


全体的にきれいな仕上がりだったのが意外でした。

もっと凝り凝り感が全面に出てクドくなっているかと思っていたので。

芸術家の作品だなあ。

配置バランスも色彩バランスも良く・・・うーんプロの仕事だ。ちょっとそれが寂しくもあるのですが。

熱いパッションはしっかり受け止めました。

ニキの姉御、あなたはやっぱ偉大でした。

 

まわりはのどかな田園風景。家族連れで賑わうハッピーなスポットです。

お土産も充実。

(2001年8月)