長崎ランタンフェスティバル Part1


Nagasaki Lantern Festival Part1

長崎ランタンフェスティバル Nagasaki, japan(2005年2月)


長崎ランタンフェスティバル。

長崎在住の華僑の人々が、中国の旧正月(春節)を祝うための行事。2005年は、2月9日スタートです。

 

もともと春節祭として長崎新地中華街を中心に行なわれていましたが、

平成6年から規模を拡大し、長崎全体のお祭りとして、冬を彩る一大風物詩となりました。

 期間中は、長崎新地中華街はもとより、浜市・観光通りアーケードなどの市内中心部に、

約1万2千個にも及ぶランタン(中国提灯)が飾られ、中国伝統芸能として『龍踊り』や『中国雑技』、

さらには『皇帝パレード』や、江戸時代に長崎で実際に行なわれたという『媽祖行列』まで、盛り沢山。

 

長崎在住の友人によると、一日あれば余裕で全部みられる、とのことだったので、

日中は、チンチン電車と徒歩で廻りつつ、せっせとランタンの写真を撮りました。

ランタン、と言えば、和紙のイメージだったのですが、全て布が貼ってありました。針金で成型して、布。

全部中国でつくって、ドーンと送るそうですよ。

 

土産物店、駅、空港まで、赤いランタンでいっぱい。祭り気分が盛り上がります。

こちらは、長崎の中心街、浜市アーケードと観光通り。

左の写真は、市民による手作りランタン。右は楊貴妃


  


左の写真は、兎児爺(とうあるいえ)という、一家団欒・ 平安・幸福、繁栄を祈る福の神。

頭に冠、 服は「文武袍(ぶんぶぱお)」。文武兼備で、右手にもった元宝という金の塊は、商売繁盛・金運の意味があるそうです。

 

かと思うと、いきなり恐竜シリーズの登場。こういうミーハーなセレクトが面白い。


  


わーい。風神雷神だー。あんまり怖くない。面白い系のお顔立ち。

風神は、左手に風火輪右手に大きな団扇を持って、風を吹き出し、風を起す。

 風神って、西遊記などのお話の中では、巽二郎(そんにろう、そんじろう)という名前になっている。

なんか巽 二郎(たつみ じろう)だったら、演歌歌手っぽいなあ、などと思って調べたら、

農学博士に、このお名前の方がいらっしゃることが判明。偶然なのでしょうか。

 

一方雷神とは、雷鳴と稲妻を神格化したもので、鬼の姿をして虎の皮のふんどしをしめ、

背に羽、鷹の足、クチバシを持つ。左の足が太鼓を、右の足が風火輪を踏んで、手にばちを持つとされる。

クチバシを持つものだっていうのは、初めて知りました。羽や鷹の足やら。

日本人おなじみの、国宝「風神雷神図」(俵屋宗達作)の雷神は、ただの鬼の顔ですしね。


  


アーケード近くの鐵橋(てつばし)には、斉天大聖(せいてんたいせい)が。孫悟空のことです。

このお方も、立派な神様なのです。


 


続いて、長崎新地中華街に向かってみます。横浜に比べると、えっ?というほど、小規模。

でもその分とてもまとまっているので、写真に撮ると、サマになる。

レストランは、どこも大行列。やはりせっかくだから中華街でちゃんぽんを、と考えるものです。

豚まん、角煮まん、中華カステラ、甘栗、などなどの屋台が並んでいます。おいしそう。

この中華街を通り抜けた先に、面白いランタンがぎゅぎゅっと詰まった、湊公園(みなとこうえん)があります。


  


湊公園前の道路は、歩行者天国になっていました。もしかして、夜間はこの道路、人でいっぱいになるのでしょうか。

さあー来た来たーってな感じのエントランス。


  


あ、でも、まずは入口近くの怪しい生き物群が気になります。

太陽のもとでみるランタンは、結構傷んでいたり、汚れていたり、で、少し哀しい。

頑丈なので、壊れるまで毎年使っているのでしょうか。


  

 

  


公園の半分は白い巨大テントで覆われており、その中で怒濤のミラクルランタンワールドが繰り広げられています。

変な動物ランタンでいっぱい。


  

  

  

 


あ、一式飾りだ。珍寺ファンにはお馴染みですね。(リンク:珍寺大道場)

やはり本場は規模が違う。中国陶器(景徳鎮)を1万個組合わせて作られています。鳳凰

碗、ひしゃく、杯、スプーン ・・・を組み立て、木綿糸で巻き付けたもの。


  


ただでさえ混雑しているテントの中に、一際大きな人だかりが・・・。

あ、あれは何?わわわー豚だ豚だ豚祭りだー(取り乱す)


  


豚、本物です。

三国志の関羽が祀られています。正面は、お賽銭や線香をあげる人でいっぱい。

ここが一番面白かったなあ。でもこの写真は公式ホームページに掲載されていません。

インパクトが強すぎるという判断でしょうか??

 

 

中国人が自ら造り出した理想的な動物の形、それは。会場のあちこちで、龍のランタンがみられます。

これは、その中で最も大きい、高さ約8メートルの昇天する2匹の龍。かっこいい。

右の写真は、武門神(ぶもんしん)。門を守る神です。

体を張って門番をし、王を守った二人の将軍をオブジェにしたもの。魔除けのまじないです。


    


テントを出ると、屋外ステージと客席になっていて、それをぐるりと取り囲むように屋台が並んでいます。

屋台の2階には、これまた中国の有名な方々のランタンが。

左の写真は、嫦娥奔月(じょうがつきにはしる)。話の一場面をビジュアル化したんですね。

今から四千年前、中国に自分の不老不死のために薬を探す残忍な国王がいました。

後に国王が遂に薬を手に入れたことを知った美しい妃、嫦娥(じょうが)は、永遠の民の苦しみを思い、隠れて薬を飲んでしまいました。

嫦娥の体はたちまち鳥のように軽くなり月の宮へ登っていったと物語は伝えます。

このことから中国の月にはいまも嫦娥が眠っているといわれています。

 

右の写真は、右から順に、福・禄・寿三星といわれる3人の神様。

もともと中国の道教の神様で、福は幸運、禄は幸福、寿は長寿の三徳を授ける神様として崇められています。


  


お、こちらにもガッツリとした美女の姿。楊貴妃でしょうか。小池栄子って感じですね。


  


はあ。写真はまだまだあるんですが。何しろ見るものすべてが被写体状態。

この後は、いよいよ夜の部へ。ランタンに光が入ります。↓click here!

長崎ランタンフェスティバル Part2へ進む。

(2005年2月)